原宿のカリスマショップ店員からタレントまで様々な分野で活躍するぺえさん。ゲイをカミングアウトした彼のこれまで経験や考え方、そしてLGBTについての率直な思いについて語っていただきました。
ー AXEは東京レインボープライドに参加し、AXE UNITYというレインボーデザインのフレグランススプレーを発売しています。その中で、
“正直な自分はかっこいい”
というメッセージを発信していますが、このメッセージについてぺえさんはどう思われますか?
その言葉は、自分にすごく合ってるのかなぁって思う。 やりたいことが見つからないとか、一歩踏み出す勇気がでない人たちが、今の日本にはすごく多くて。私のSNSにもそういった悩みを持った人たちが集まるんです。 ただ、私はその“正直な自分”というそのままの言葉通りに、「直感」で今まで私は生きてきたんです。
何をやりたいのかなぁとか、やりたいことってなんだろうって考えるよりも先に、 自分の中で今、直感で、やりたいことをそのまま人生で実現していった結果が、今の私の姿なんです。
ー いつから直感にしたがって行動するようになったんですか?
それは小学校の頃に始まってて。 周りにバレーボールやっている人はいなかったけれど、なんかテレビでやっている“メグカナ”のバレーをやっている姿に惹かれて。直感で「バレーをやってみたい」って思ってバレーボールを始めて。 それからすごくのめり込んで良い結果も残せて。体育大まで続けることになったんです。 そして、その次に自分は何やりたいんだろって思った時に、 今まで自分は体育会系でファッションやメイクとは無縁にいたからこそ、逆に、知らない世界で自分はどのくらい通用するんだろうって感じてみたくなってアパレルという世界に行き着いたんです。その時、自分の中で日本のファッションの最先端といえば「原宿」だったから。
ただそこに飛び出して、自分がどのくらい通用するのかっていうのを試してみたかった。
そして、直感を信じて飛び出してみたら、アパレルでもすごく成長できたし、今こうやっていろんな方に自分の思いを届けられている環境に辿り着けたし。
やっぱり、何か考える前に自分の直感で動いてみる。直感で動いた方が失敗ってないと思う。
もしダメだったとしても、挑戦したことに対して後悔はないと思うし。やらなかった時の後悔よりも、やってダメだったら、すっきりすると思うし。 だから、とりあえずやってみて。ダメだったらダメで。 本当に笑い話になるんです(笑)だから、その気持ちで生きてます。
ー 直感で生きることがぺえさんらしさ?
そうですね。 自分らしく、素直な自分っていうのは、「直感をありのまま信じて生きていく」ことで。 それが、私の正直な生き方、正直な自分の姿かなって思います。
ー 様々な分野でご活躍されているぺえさんは、LGBTの方たちの中でも憧れられる存在だと思います。ぺえさんが現在のように自分らしく生きていると思えるまでに、何か葛藤はありましたか?
小学5年生までは普通に女性が好きだったんです。 ある時ケインコスギさんの脇毛をみた時に、何かきゅんとしている自分に気づいて。その辺から気持ちの揺れ動きがありました。ただ、やっぱりその時期は気持ちもナイーブな時期なので…。 もし自分が男性を好きだと認めてしまったら、結婚てできるのかな、子供ってできるのかな、親に孫の顔って見せてあげられるのかなって考えてしまって。
ー 小5で??
そう、小5で。 年の離れた兄と姉がいたこともあって、私の将来像というか、大人の姿が近くにあったので。兄と姉がちゃんと恋愛もして結婚をした姿を見ていたので、すごく悩みました。 ここで私が男性を好きって認めたら、何か壊れてしまうのではないかって。近くにいる人が離れてしまうのではないかとか、いろいろ考えました。 そんな時に母が気づいてくれて。
ー 何かお母様から言われましたか?
“あんたはあんたの人生なんだから、あんたの人生らしく生きなさい”っていうことを、別にあなたがゲイだからとかそういうことではなく、ただこの言葉だけをくれたんですね。
その時、何か割り切れて。もういいやって。 自分は自分らしく、自分の人生なんだから好きに生きよう。誰にも邪魔されずに生きようってその時に決意できました。
中学2年生の時に私を好きって言ってくれる男性に出会えて。中学2年生から高校3年生までに5年間交際しました。
ー すごい!長いですね!
最初は周りの目とかも気になりました。ただ、私がやめてよって思うぐらいその彼の方がグイグイくる人で。学校でも手をつないでくるし、廊下でハグされるし。
ー わぉ♡積極的ですね!
そう(笑)もう、「俺はしんぺいのことが本当に好きだし愛してる」っていうことを周りに包み隠さず表現してくれる彼だったんです。私も最初は恥ずかしかったんですが、その強い気持ちを受け入れて受け止めて。
ー 周りの反応は?
周りも最初は引いていたんですが、もう私たちがいききっちゃった感じで。 何ていうか、もう邪魔しないでくれって。俺たち・私たちは男同士だけど愛し合ってるからっていうのを隠さず突っ走っていったっていうか。 それで周りもだんだん認めなきゃいけない空気になっていって、不信感の声もなくなり。いつの間にか学校公認ゲイカップルになっていきました。
ー LGBTへの理解などもあまりない時期だったと思いますが、考え方がすごくすすんでいますね。
そうですね。地元は山形で田舎なんですが、そういった環境もあって突き抜けられたっていうか。 でも、最初はやっぱり葛藤はありました。男性を好きっていう自分を認めたくないというか、認めてしまったら親が悲しむかなとか。普通の恋愛の方が幸せなのかなって。いろいろ葛藤はありました。 でもやっぱり無理だし。 自分に嘘をついて頑張って女の人を好きになろうとしたって、そんなの本当の愛じゃないと思うし。
幸せは人それぞれなんだろなって思うし。 恋愛1つにしても、幸せのカタチって人それぞれなんだなって。
それを学生時代自分の中ですごく考えて、私はいいんだこれでって思って生きてきました。
ー お母様と彼の存在がぺえさんの中で大きいんですね。
そうですね。自分らしくいられるきっかけになった存在であると思います。 その彼が最初で最後の彼なんですが、いろんな意味ですごく合っていたんだなって思いますね。
ー カミングアウトをする前とした後で、ぺえさんご自身、そして周りの環境に何か変化がありましたか
学生時代は友達にもうカミングアウトをしていました。カミングアウトというよりは、彼の存在もあり学校公認のカップルになっていたので、自然の流れで周囲も認めていたので、何の違和感もなくのびのびと生活していました。 唯一カミングアウトできていなかったのが家族と両親でした。やはり一番大切だからこそ、心配をかけたくなかったしいろんな思いをさせたくなかった。なので、テレビに出て「私はオネエです」って言った方が先だったんです。
ー テレビが先なんですね!
そうなんです。 テレビでカミングアウトすることで迷惑をかけてしまうかもしれない。けれど私の大きな一歩だから見届けてねっていうメッセージを家族のグループLINEに書いていたんです。でも、「送信」が押せないまま放送になってしまって。
ー 放送を見たご家族からは何かメッセージがきましたか?
家族からは「よく頑張ったね」「覚悟決めたんだね」「応援してるからね」っていうメッセージをもらえました。 ただ、面と向かって伝えられてなかったんです。それができたのが2年前、ある番組の力を貸していただいてようやくできました。
ー どうでしたか?
こんだけ彼氏もいて、女性らしい部分もあった感じだったんでさすがに家族みんな気づいているだろなって思っていたんですが、お父さんは気づいてなくて。 母はもともと何となく気づいていて理解があったんで、「しんぺいの人生だから楽しく生きなさい」っていって背中を押して押してくれたんですが、父はすごく素直な反応で「そっか、そっか。」という言葉しか出てこなかったですね。 ただ、2年経って徐々に理解をしてくれるようになってきて、恋愛の話とかもできるようになってきました。
カミングアウトするタイミングって、本当に人それぞれでいいと思う。 私は23歳できっかけをいただいて、カミングアウトしてすごく幸せにもなれました。何ていうか、より素直に生きれるようになれて。カミングアウトする前よりも未来が明るくなりました。 今までも自分を押し殺して生きていた訳ではないけれど、両親や家族にカミングアウトして言えたことで、やっと結婚だったり将来に向けて進めるようになれましたね。 でも、カミングアウトするタイミングは本当に人それぞれでいいと思う。30、40、50になってカミングアウトして幸せになる人もいるだろうし、しなくてもいいと思うし。
自分が幸せだったら、それでいいと思う。やっぱり幸せのカタチって人それぞれだから。
早ければいいってものでもないし、時期とかタイミングで決めるのではなくて、自分の気持ちが固まってからにした方がいいのかな。いろんな覚悟ができてからでいいんじゃないって思う。 LGBTへの理解が深まってきてるとはいえ、もしかしたら理解してもらえないかもしれない、言ったことで傷ついてしまうかもしれない。それでも言って幸せになるんだっていう覚悟ができた時にすればいいのかなと思いますね。
ー インスタでのポストにあった、#LGBTなんて言葉なくなればいいのにというメッセージが印象的でした。どのような想いこのメッセージを発信されましたか?
LGBTを理解っていう言葉があること自体、理解って深まっているのかなって。LGBTという言葉にくくられている時点で、自然には生きられていないのかなって。男、女って自然に生きているのに。だから、LGBTという言葉自体がなくなればいいのになって。 今回から私もイベントに関わることになったので、ただ盛り上がるだけでなく、もっと自然なものとしてできるように、自分もできたらなって思っています。
ー LGBTへの理解が以前よりは深まってきている中で、自分自身がLGBTであるという方はもちろん、LGBTを理解したいという方も多くなっています。しかし、何かしたいのに具体的に何をすれば良いのかわからないという方も多いです。 みなさんのために何をするのがサポートになりますか?
私は、そっとして欲しいっていうのが率直な思いです。LGBTと言う言葉もある、そういう風に理解したいと思ってくれている人もいる。でも私たちは自然に生きて生きたい。 そのズレがあるのが現実だけど、男とか女とかじゃなくて、対人として接して欲しいですね。もちろんいろんな考えがあるけど、私たちはそこで何の違和感もなく生きている訳で。 だからどっちかっていうと私は何にも配慮しなくていいって思う。
ー 実は、AXEのレインボーフィルムデザインのUNITYは、「香り」を使ってそういったLGBTの方々やサポートしたい人たちの第一歩の背中を押せる様に願いを込められて作られている背景があります。そういった取り組みをするブランドとしてのAXEについて一言いただきたいです。
私は結構香りで気分をあげるタイプで、いろんな香りの種類を持っていて。 これはどっちかっていうと女子向け、これは男子向けって少しの差でも感じるんです。 だけど、このUNITYは本当にどっちでもないなって。 正直香りに対して結構厳しくて、男女でも使えるなんて、本当かいなって思っていたんです(笑)でもこれは本当だなって思った。
何でこんなに、男でもない、女でもない、ちょうど良い香りを見つけられたんだろって。作った方に会ってみたいなって。
甘すぎず、だけどクールすぎない、ちょうど良い感じって何なんだろうって。だから、女性向けとも男性向けとも言えないし。男にウケるとも女にウケるとも言えない、初めての感覚だったので、「あ、さすがだな」って思いました。 そして、こんなにコンセプトに合った香りを作ることができたAXEさんに感動しました。すごかったし、ビックリしました。
この香りから、何か感じてくれる人はいるといると思います。 ジェンダーに縛られずに生きていくって言うことを、この香りから感じてくれる人は必ずいると思うし、少なからずLGBTの人たちはAXE UNITYが伝えたかったことを感じてくれると思います。
ー AXE Lab.(AXEのwebメディア)は自分らしく生きたい20代を応援しています。そんなぺえさんと同じ20代の皆さんに是非一言メッセージを。
10代、20代って傷つきたくないし、将来のことも不安になるし心がナイーブな時期だと思います。だけど、自分がこうしたいって思って進んだ先に、絶対に居場所はあるって言うことを伝えたいです。 私もゲイだって気づいた時、居場所がないんじゃないかとかすごく将来が怖くなったんです。でも、その気持ちに惑わされずに自分に正直に行動した結果、今こうやってみなさんに思いを伝えられて、ゲイとしてここに立たせてもらって居場所がある。 誰でも、自分の直感を信じて生きていけば自分なりの幸せって見つかると思うから。 今すぐ結果が出なかったとしても、腐らずに。何とかなるから。それを信じて生きていって欲しいと思います。
誕生日:1992年4月22日 出身地:山形県 趣味:バレーボール観戦、書道 「マツコ会議」にて「ジェンダーフリーの謎のショップ店員」として取り上げられ、一躍話題に。 普段から客に媚びることなく、似合わないものは似合わないとハッキリ言う毒舌な接客で人気となり、全国からお客さんが集まり、開店前から並ぶほどの人気を誇る。 今ではアパレルの枠を超え、来店したお客さんが恋愛や学校生活などの人生相談をする様になり、竹下通りで「原宿の母」と呼ばれる。 SNS上でも女子中高生のファンの悩みに答えるなど、そのやり取りが注目され、ポジティブに生きるためのぺえ語を集めた本も発売中。 テレビ出演も増え、テレビ情報誌にて2016年ブレイク最有力候補に選出された。
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東京レインボープライド2019についてはこちらをチェック!! ⬇︎⬇︎
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AXELab.では、ぺえさんのインタビューを通して、これまでのぺえさんのご自身のご経験などから、LGBTで悩んだり一歩踏み出せないでいる方たちの何か役に立つことができればと思い、LGBTというテーマでインタビューさせていただきました。 ぺえさんご自身も、自分の考え方を語って押し付けるのではなく、今何かに挑戦したいと思っている人の背中を少しでも押せるような気持ちでお話をしたいとおっしゃっていただきました。 みなさんの第一歩のきっかけになることを祈って。
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