初めての長編監督作である「Noise」が海外メディアで日本映画第1位、アジア映画4位にランクインするなど、今注目の若手監督 松本優作さん。いよいよ、2019年3月1日よりテアトル新宿で公開します。 AXE Lab.では、公開間近の「Noise」の映画化までの話から、常に持っているスタイルまで、松本監督が考えていることをおうかがいしました。 若干25歳で映画監督という夢を叶え、華々しいデビューを飾った松本優作さんの、“夢を叶えるまでの軌跡”をインタビューをさっそくご紹介いたします!
中学生の頃からずっとバンド活動をしていたんですけど、ミュージシャンとしては食べていけないなと感じて諦めたんですよね。そんな時、バンドに関わる仕事ということで、ミュージックビデオを製作したのが映画監督の道を歩みはじめたきっかけでした。 それ以来、映像を作ることをにはまっていって…。 幼い頃から父親が松田優作が好きで、松本優作って名前になったんですけど(笑) それでずっと映画を見させられて育ったこともあり、自然と映画監督を目指すようになりました。 映画監督という仕事は、自分が世の中について感じたことを脚本に書いて、それを映像として表現するのが楽しいです。特に社会的な事件をテーマにすることに凝っていますね。
今回一般公開が決まった映画「Noise」は15才の時に、親友が自殺をしたことと、秋葉原で起こった通り魔撮影事件が頭の中でリンクして、突然シナリオが頭に浮かびました。
そうして脚本がようやく出来上がったのが18歳の時でした。
それを映画好きの友達や、俳優を目指している友達に見せて、今の「Noise」の短編版となる映画を撮ったんです。 でも当然、スタッフはみんな素人だから、うまく作れなくて… 自分の表現したい映像を作ることは難しい感じました。 なのでその後、映像の専門学校に進んで技術を磨きました。そしてようやく、ある程度の映画が取れるようになってきて。 その経験を活かして、学校を卒業した21歳、Noiseを劇場に公開するレベルに作り直したんです。
相当大変でした(笑) カメラマンから俳優さんまで一から自分でスタッフを揃えないといけなかったので。とにかく知り合いをツテに連絡しまくりましたね。 第一、製作にかかるお金を集めなくてはいけなかったので、知っている社長に手当たり次第に電話をして、 企画書を見せて「50万でもいいから出してくれ」と回りました。
そうしてやっとの思いで完成させた「Noise」をモントリオール世界映画祭、レインダンス映画祭など多数の映画祭に出品しました。 やはり、今でも映画監督として映画を世に広めるためには、映画祭に入選するかがステータスになっています。現在、世界で映画は年間約1万本が出品されています。その中でも日の目を浴びるのは10本とかの一握りの作品。 なのでNoiseが入選した瞬間が本当に嬉しかったです! 入線作品として海外で上映が始まってから、ようやく評価をもらえて、映画業界の人が自分の作品を見てくれるようになりました。
15才からライフワークとして撮ってきた映画が、10年越しに世の中に公開されてようやく夢が叶った思いです。やっとスタートラインに立てたと思います。
いろんな人が応援してくれたからです。 今回の作品の出演者でもある、俳優の小橋賢児さんや、去年エベレスト登場で命を落とされた栗城史多さんなど、僕の想いに色々な人が応援してくれて、そこから輪が広がっていきました。
昔から小橋さんのファンで、自分からキャスティングをオファーしました。 「映画に出てくれないか?」と突然の依頼だったんですけど、その時たまたま小橋さんがインドから帰ってきた時で。 インドで「神に役者になれ」と言われたタイミングだったということで、Noiseに出てもらうことができたんです。 すごい偶然が重なり、この映画が完成しました。
自分が作った世界をいろんな人に共有できる一つの芸術。
それが一番魅力的ですね。
クリエイターでやっていく以上は一つでもダメなものを作れない。 一度作れない人だとレッテルを貼られるのが怖いので、いつも気を抜けないです。 自分の名前で世に出す作品には妥協できない。 作品と自分は一緒の存在ですね。
今回作成したNoiseは初めての監督作になったと同時に、周りの製作スタッフがプロになった作品でもあります。 初めは僕のことを未経験者として扱われて、いうことを聞いてもらえなかったり。
自分は年齢も低いのに、40代50代のベテランのカメラマンさんと対等に渡り歩かないといけなかった。その中で、自分の表現したい思いを、周りに正確に伝えられないのが悔しかったです。 毎日が我慢の連続。 でも自分の伝えたいことを表現するにはくじけていられないという一心でスタッフと向き合い、今の作品を作りました。
僕にとって自分らしさとは・・
「映画で自分を表現すること」が自分らしさですね。
自分も世の中も本当はこう思っているけど人には伝えられない思いとか、自分の世の中に思っていることを、物語として世間に伝えていきたいです。
社会的なテーマを主題にしています。 15歳の時に起こった友達の自殺と「秋葉原殺人事件」。 自殺と無差別殺人、この二つは根本的なところは、社会に追い込まれた人たちとしてリンクするものがあると感じ、そういったものを表現したいと思い作りました。 事件を起こす人というのは悪い人たちだと思われがちだけど、そういう人たちがどうしてこういう事件を起こしたのか背景を見ると、今生きている社会のシステムがそうさせたのではないかなど想像して考えてもらえる作品になっていると思います。そして、今の人生が順調でも、ちょっとしたことで不幸が起こるかもしれない。 そういう怖さとかを表現できたと思います。
世の中にはいろんなことに苦しんでいる人がたくさんいると思います。 例えば夢が実現できないとか、壁にぶつかっている人はいっぱいいると思いますが、そういう人にこの作品を見て欲しい。 Noiseでは群像劇として色々な登場人物が出てきます。みんなそれぞれが壁にぶつかって、乗り越えようと苦しんでいる。そういう人に、見てもらいたいですね。
映画を作り続けたい。 もっと第一線で活躍できる人間になりたいですね。
松本優作初監督作品『Noise ノイズ』公式サイト。2019年3月1日(金)テアトル新宿ほか。ポップカルチャーの聖地・秋葉原で、10年前の6月8日に起こったショッキングな事件をモチーフに、絶望の中に生きる若者たちと大人たち。世界から圧倒的支持を獲得する同時代映画。
松本優作[監督] 1992年10月9日、兵庫県神戸市生まれ。 ビジュアルアーツ専門学校大阪に入学し映画制作をはじめる。 2008年、映画『Noise』脚本執筆開始、2017年完成124分版で世界各地の映画祭で正式上映、初監督作品となる本作を 劇場公開に向けて再編集。監督二作目となるエベレストを舞台とした長編ドキュメンタリー映画を制作中
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